那古寺開創1300年記念展「繍字法華経の世界 ー受け継がれた宝物ー」
- 9時〜16時45分、月曜休館※18日(月・祝)は開館、19日(火)は休館
古くから観音霊場として信仰を集めてきた那古寺は、養老元年(717)開創と伝えられ、今年で1300年を迎える。これを記念して、那古寺に伝わる貴重な文化財を公開するのが、今回の展覧会。なかでも見どころの第一は、那古寺をはじめ、ゆかりの寺院に伝えられた「繍字(しゅうじ)法華経」で、初めて一堂に集めて展示される。
「繍字法華経」は白絹の布に藍色の絹糸を用いて経典の全文を縫いとりしたもので、「佛」の字は金糸を用いている。見返しに釈迦と普賢と天部2像、巻末に千手観音が彩色の細密画で描かれている。中国元朝(1271~1368)の時代に平江州(江蘇省)の女性たちが制作したもので、伝来経緯は不明だが、元禄15年(1702)に京都智積院九世宥鑁(ゆうばん)住職によって、那古寺(館山市)、宝珠院(南房総市)、智積院(京都府)にそれぞれ寄納されたことがわかっている。今回の記念展で3か寺の「繍字法華経」が315年ぶりに再会する。数少ない中国元朝の渡来品が集まる、またとない機会。
また、近年の修理によって墨書が発見された木造釈迦如来坐像など、那古寺が所蔵する文化財が公開される。
講演会 「那古寺奈良写経と繍字法華経」
- 9月9日(土)13時30分〜
- 会場:市立博物館本館集会室
- 講師・宇都宮啓吾氏(大阪大谷大学教授)
奈良時代に書き写された観世音経(観音経)の写経と、繍字法華経について話す。講演会は事前申込不要。
*425号掲載
まだコメントはありません