新・地区展「館山―城と湊のまち―」
- 9時〜16時45分、月曜休館
館山市立博物館では、館山市内10地区の歴史と文化財を紹介していく「新・地区展」シリーズを平成24年から開始。今年は最終回として、館山地区を取り上げた展覧会を開催している。
館山地区は館山・上真倉・下真倉・沼・宮城・笠名・大賀・富士見の8つの大字に分かれる。かつては里見義康が居城にした館山城の城下町として整備、里見氏の国替え後、旧城下町は周辺地域の町場、あるいは江戸との物資流通の拠点となった。明治期に東京との間に汽船が開通したことにより、古くから海上交通で栄えたその性格を強くし、昭和になると東京湾要塞の一翼を担うために洲ノ埼海軍航空隊などの軍事施設が設置された。
今回の展示は「海とともに暮らす」「館山城と館山陣屋」「町と村のなりわい」「海軍の町」「町と村の風景」「信仰と寺社」「教育と文化」の7部で構成されている。
館山藩に仕えた儒学者の新井文山は新井浦、絵師の勝山調と川名楽山はともに沼から、高村光雲に学んだ石工の俵光石は楠見から輩出された。寺社彫刻で知られる初代後藤義光は晩年を青柳で過ごす。城と湊の周辺は教育や文化を育む土壌があった。
館山町は関東大震災で町内の99%の建物が倒壊・焼失するという甚大な被害を受けた。博物館の近くにある館山神社は、倒壊した神社7社を合祀して、昭和初期に創建されたもの。その後、軍事施設が設置されたことにより、町と村が大きく景観を変えていった。それら変容の様子が絵図や地図などからうかがえる。
11月20日(日)は青柳周辺の寺社や史跡を巡るイベント(13時〜16時・16日まで申し込み・参加費200円)、12月10日(土)は担当学芸員による展示解説会(13時30分〜14時30分)が開催される。詳しくは電話で。
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