華の栖出版御礼公演 第1回
明治から大正…安房に生きた二人の女性「勇子とりん」を描いた小説が、舞台作品に。
- 日時:1月19日(日)14時〜(開場13時30分)
- 会場:とみうら元気倶楽部さざなみホール(南房総市富浦町原岡)
- 入場無料
- 第一部:華の栖 勇子とおりん
- 第二部:阿波の鳴門 巡礼歌の段
若い頃から、劇団「色えんぴつ」を主宰するなど、オリジナル作品の演劇や一人芝居に取り組んできた小幡治枝さん。台本も書き、役者もこなし、数々の公演を続けてきた。また、俳句もこなす多才な人でもある。
十年ほど前から、かつて安房の各地区に伝承されていた人形浄瑠璃に興味を抱き、志を同じくする仲間たちと「安房の人形浄瑠璃復活の会」を結成。丸山中学校の生徒たちが人形操作を習得し、浄瑠璃劇の公演がおこなわれ、話題となったこともある。
小幡さんの浄瑠璃熱はたかまり、東京の義太夫の師匠のもとに通い、義太夫の語りも習得する。
前後して出会ったのが小林りん(後・加藤りん)という盲目の義太夫語りだった。りんは館山市船形の生まれで、嫁いでからの後に東京に出て修業を積んでいる。一方で、りんと親しくしていた畠山勇子の存在も知る。鴨川の生まれで、明治24年(1891)にロシア皇太子が襲撃された大津事件で、国を憂い、自刃をとげて謝罪した。「烈女勇子」と呼ばれ歴史にその名を残している。
小幡さんの自宅のある旧丸山町古川と、この二人の女性は遠からずの縁があった。不思議な出会い、運命を感じ、史料を調べ書き上げた小説が「華の栖 畠山勇子と加籐りん」(2013年3月刊行)。発売から9か月ほどだが、多くの読者を得ており、地域のベストセラー本ともなっている。
演劇と義太夫語り、作家でもある小幡さんが、今回チャレンジするのが「出版御礼公演」。
第一部では「華の栖」をもとにした演劇で、幼年期から義太夫語りとして成長していくりんを中心に、畠山勇子との出会いそして死別へと物語は展開していく。
第二部は安房の人形浄瑠璃復活の会のメンバーを中心に「阿波の鳴門 巡礼歌の段」が演じられる。太棹三味線の音にのせて、小幡さん自身が義太夫を語る。舞台装置や照明、音響、衣裳など、多くの人がこの公演をサポートしている。「稽古をつみかさねて、ようやく公演にこぎつけることができました。お手伝いしてくれる皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです」(小幡さん)。
入場は無料だが、会場の定員は160名ほどなので、電話予約が優先となる。お問い合わせ、お申し込みは左記へ。
問い合わせ/山の花
電話/0470・24・9570
問い合わせ/小幡
電話/090・8864・2049
*340号掲載