房州を描いた洋画家 溝口七生寄贈作品展
房州の自然や風景を描き続けた洋画家で、昨年10月に83歳で亡くなった溝口七生さんの作品展。地元に作品を残したいという溝口さんの意向で、鋸南町や館山市等に作品が寄贈された。館山市では寄贈を受けた5点の作品を、2期に分けて展示する。
溝口七生さんは東京都生まれ。開成学園中学校は美術部に入部、高等学校は美術部、文学部に入部し武者小路実篤の「新しき村」の活動に参加したりした。東京学芸大学を卒業後、東京都大田区立岩井養護学園、台東区立保田学園などに勤務。在職中に油絵を始めた。
昭和40年、第13回光陽会展に初出品し、「岩井の海」が入選して以降、安井賞展入選、県展で知事賞等多くの賞を受賞。
溝口さんは海、波と岩、砂丘、流木、廃船、樹といった房州の自然や風景を写実的に描き続けた。自らの作品についてこう語っていた。「自然を描き続けて飽きることはない。観光客などはあまり関心を持たない平凡な、そして昔から生活している人々にとっては当たり前過ぎるような、身近な自然・見慣れた風景・片隅の自然の中に、描いても描いても描き切れない豊かな美しさや自然の(生命の)ドラマを発見する」(『溝口七生画集』より)
*490号掲載
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