武士たちの明治
- 9時〜16時45分、月曜休館
今年は明治4年の廃藩置県から150年にあたる。この企画展では、明治初頭の大変革の時代に対応した安房地域の武士たちの姿に迫る。
明治維新によって武士の時代が終わりを告げると、館山藩や長尾藩の藩士たちは士族として、新しい時代を生きるために生き方自体の変化を求められた。東京へ出る者や、先祖伝来の土地に固着する者、縁者を頼ってゆかりの地へ赴く者など、さまざまな対応をすることになった。
展示は約50点の写真と文書を中心にした、総数約100点の資料で3部構成されている。1部の「最後の武士たち」は戊辰戦争当時の館山藩の書状や、駿河国から移封した長尾藩の移転計画図や甲冑などが展示されている。2部の「廃藩から秩禄処分へ」は廃藩置県と秩禄処分で禄を失った士族たちの生活や同藩士族で結社をつくる様子など、3部の「士族の転身」では農業や漁業、商工業、行政・軍事など各分野へ転身、学問や文芸に専念した旧士族たちが紹介されている。
館山市内で茶舗や写真館などの事業を始めたり、僧侶や神官なった人もあり、なかには老舗として残っているところもある。また、長尾士族の二世からは、現在のかな書の基礎を作った小野鵞堂(がどう)、本籍は北条町に置かれていた画家の藤田嗣治(つぐはる)らを輩出している。
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