卓越した技能「現代の名工」表彰 畳工 長田久富さん(有限会社オサダ代表取締役)
厚生労働省は、卓越した技能をもつ2025年度の「現代の名工」を発表、館山市で畳業の長田久富さんが選ばれた。
伝統的な手縫いから新素材と機械を使った現代の畳製法まで、優れた技能が評価された。また、日本畳産業協会の会長を務め、業界の第一人者として、各地で後進の指導にも力を注ぐ。
二十歳の頃、「日本一の畳職人になろう」と心に決めた長田さん。1979年に千葉県技能コンクールで3位入賞も、悔しさでいっぱいだったという。後に、関東大会では二度の優勝、オランダで約一か月間、畳製作を実演し、ロッテルダム市から感謝状を贈られたことも。三十代では、「へりなし畳」の技術を開発し、普及と指導で全国を回った。
技術向上と最適な畳の提供、これらが2001年に実を結ぶ。畳の職種が初めて競技種目となった全国技能グランプリで第一位、厚生労働大臣賞に輝いた。「初代畳職人日本一」の称号を得るとともに、現在の館山市正木に新工場とショールームを構えた。
「室内での転倒や骨折が原因で要介護・要支援となっている現状を改善したい」と、転んでもケガをしにくい「衝撃緩和型畳床」を開発。将来的な医療費削減に貢献できる製品でもあり、各省庁に約3年間働きかけ、介護保険における住宅改修の補助対象に認定された。「ケアケア・ハイハイ畳R」として、子育てにも安心安全な商品となった。
半世紀を超えるキャリア。これからも技術を磨き続け「お客様に最適な畳を届けたい」。
㉄(有)オサダ
instagram : tatami_osada
0470-20-5280
*614号掲載






