収蔵資料展「イカ展」
- 2021年7月17日(土)〜9月5日(日)9時〜16時30分、月曜休館 ※8月9日(月・振休)は開館、10日(火)休館
- 会場:千葉県立中央博物館分館海の博物館(勝浦市吉尾123)
- 料金:一般200円、高校・大学生100円、中学生以下・65歳以上無料
日本人が一人あたり年間約1㎏食べていると言われている「イカ」。夏になると食卓をにぎわすスルメイカは漁獲量の減少が心配されている。
イカは馴染み深い食材のひとつ。日本近海では約140種が知られており、いろいろな形の変わったイカがある。そんなイカの興味深い生態を収蔵資料の中から選び出して紹介しているのが今回の「イカ展」。海の博物館とっておきの標本30種40点が勢揃いする。
イカのほかにタコの標本も展示される。イカはタコとともに、貝類と同じ軟体動物門のうち、頭足類と呼ばれるグループに分類される。絶滅したあのアンモナイトも頭足類の仲間だ。頭足類は頭部に足を持つと学術的に解釈されているため、イカを縦長に表示する際は足がある方を上に配置しているので、博物館のチラシで確認してみよう。
頭足類に含まれ、十腕形類に属するイカは八腕形類に属するタコより2本多い腕(正確には足)を持つが、それは捕食用の伸縮自在な触腕として、タコと区別される。さらにイカは体に石灰質の「甲」を持つコウイカ類や、体が細長くて「甲」を持たないツツイカ類などに分類される。
イカは本来の心臓のほかに、一対の鰓(えら)の付け根に1つずつ、計3つの心臓があるという。無脊椎動物の中では発達した目を持ち、狙った餌を触腕で捉える。
千葉県の近海では珍しいイカが見つかっている。館山沖では深海に住むサメハダホウズキイカ、勝浦沖では細長い体と目の周りに発光器が並んでいるユウレイイカが確認された。勝浦沖で採集されたダイオウイカの幼体は世界的にも珍しいという。
今回の展示では、幼体のダイオウイカと大人の標本とがセットで並べられている。また世界最小のイカであるヒメイカは生きた姿で展示される。
問い合わせ/千葉県立中央博物館分館海の博物館
電話/0470-76-1133
*514号掲載