ご近所旅のススメ その1 路線バスに乗ろう!
いまこそ、地元再発見の旅へ
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(クリップ前号492号(8月8日発行)に掲載の安房路線バス全路線図面に一部誤りがありました。訂正後の全路線図面のPDFを掲載しましたので、ご利用ください)
新型コロナウイルス感染症の流行で、遠方への観光が懸念される中、自宅から1時間程度の移動範囲の「地元」を観光する近距離旅行が注目されている。そこで今回お届けするのは、地元を路線バスで旅するための「安房路線バス・全路線図」。
路線によっては、1日2便しかないものもある。利用者が多いと思える路線でも朝2便、昼1便、夕2便の5便という具合だ。不便きわまりない路線バスを、こんな時だからこそ、あえて旅してみるのも一興か。クルマに慣れきった人には、馬鹿げた旅かも知れないが、普段見えない何かが発見できるかも知れない。ウェブサイトで時刻表を手にいれて、まずは路線バスの旅を机上でプランしてみては。
路線バスキーワード
デマンド運行
デマンド運行は、利用の多く見込めない路線や区間で、ルートや乗降場所、運行時間をあらかじめ設定しておき、利用者から電話などによる要望があった場合に運行するもの。
フリー乗降
路線経路内(国道以外)であれば停留所以外でも自由にバスの乗降ができる。乗車場所を電話予約で「○○(バス停)と、△△(バス停)の間、□□(目印)あたりで乗車(降車)予定」と知らせておく。 初めの一歩 おすすめ ローカルバス路線
館山鴨川線
海沿いを走る安房縦断バス旅。お馴染みの道だがあえて路線バス
館山駅と鴨川の亀田病院間、片道約40㎞をほぼ1時間かけて運行するバス路線。平日・土曜は1日6便でほぼ2時間おき、日曜は1日4便の運行。途中下車旅を楽しめる路線。JR内房線沿いに走るので、電車と組み合わせた旅プランで時間を有効に利用できる。国道128号線沿いを走るが太海から鴨川の間は旧道を通る。館山駅〜鴨川駅・亀田病院の運賃は720円。
白浜千倉館山線
安房白浜・千倉間は1時間おきに1便。電車との併用もおすすめ
千倉駅から安房白浜間の路線と、千倉の市街の平舘車庫と館山駅間の路線とが一本化され、安房白浜と館山駅間を運行するようになったバス路線。未だにその名残があり、安房白浜・千倉駅間は1日11便、千倉駅・館山駅間は1日5便となっている。千倉駅・安房白浜駅間は、ほぼ1時間おきに1便なので、途中下車で寄り道、道くさ旅をするには好都合だ。路線には魅力的な飲食店も多い。電車との接続もいいので、内房線と併用しての旅プランもおすすめ。
鴨川市コミュニティバス 北ルート
途中下車を楽しみながら内浦山県民の森を往復。たっぷり一日旅
金山ダム〜鴨川駅西口〜鯛の浦を往復する。さらに鯛の浦から内浦山県民の森までは12人乗りのハイエースによるデマンド運行となる。1日3便、金山ダム〜鴨川駅西口は4便、大日〜金山ダム、三駄田〜内浦山県民の森の区間はフリー乗降ができる。第2便、鴨川駅西口発8時51分発に乗り、途中下車、その後の第3便に乗って移動し途中下車。さらに第4便で内浦山県民の森まで、16時26分着。同バス停17時30分発に乗り、鴨川駅西口まで、18時10分着。1日たっぷり楽しめるご近所旅行。ちなみに鴨川駅西口〜内浦山県民の森の運賃は650円。途中下車を重ねた場合は、当然割高になる。
長狭線・金谷線
大山千枚田をあえて路線バスで訪ねてみる。足を伸ばして長狭街道で房総横断
長狭線・金谷線は、長狭街道を通る路線で鴨川駅と浜金谷の東京湾フェリー乗り場を結ぶ。全盛期の1960年代は国鉄連絡バスの役割を担っていたことから「金束駅」「主基駅」「吉尾駅」と停留所に駅がつく。亀田病院からみんなみの里や大山千枚田に近い釜沼へはどちらの路線も利用できる。大山千枚田へは鴨川駅から平塚本郷までの往復割引乗車券があり、釜沼まで通常片道550円が往復で730円で行ける。釜沼から大山千枚田まで徒歩約20分。往復割引乗車券は鴨川日東バス待合所窓口、鴨川駅前観光案内所で販売している。亀田病院・鴨川駅〜東京湾フェリーの運賃は900円。
富山線
富山を北に南に、ぐるっと一周。大人200円の固定運賃も魅力
富山線は、富山国保病院を中心に、岩井駅、ハイウェイオアシス富楽里などの岩井地区と平群地区を、8の字型に循環する。バス(愛称・トミー)の外観は黄色地のボディ後方に、南総里見八犬伝の伏姫と八房をあしらっている。路線経路内(国道以外)であれば停留所以外でも自由にバスの乗降ができる「フリー乗降」方式で運行している。平日は1日7便、土日祝日は6便、1回乗車につき大人(中学生以上)200円、小人(小学生)100円。
鋸南町・町内循環バス
鋸南町をぐるぐる回る。どこまでいっても最大300円
鋸南町の町内循環バスは、「大崩」を発着点として、北回りの赤バスと南回りの青バスの2種類のバスが町内を循環している。バスの車体には、鋸南町のイメージキャラクターが描かれている。赤バスは菱川師宣の見返り美人図の「みかえりちゃん」と桜をイメージした「さくらちゃん」、青バスは源頼朝の「よりともくん」と近代捕鯨(クジラ捕り)の祖・醍醐新兵衛の「しんべえくん」をあしらっている。5区間まで200円、6区間以上は300円、平日は1日5便、土日祝日と年末年始は始発便及び最終便は運休している。
*492号掲載