海の女が紡いだ房州 暮らしの布の見本帳
じんのー房州縞帳展
- 開催中〜13日(水)10時〜18時
- 会場:とみうら枇杷倶楽部ギャラリー(南房総市富浦町青木)
大正あたりまで、この地方にも、綿花を栽培し糸を紡ぎ染め、そして機織りに向かって布を織り上げる、そんな染織の文化が根づいていた。
農漁業のかたわら続けられてきた、女たちの手仕事のひとつだった。
「地布」とか「手前織り」、房州弁では「じんの」「てめーおり」と呼ばれてきたその布は、野良着や灘着、長着となり、夜具となった。
笠井美智子さんが、白浜海洋美術館にコレクションされていた「じんの」と出会ったのが2008年。
素朴で味わい深い、手織りならではの地布の世界にひかれ、仲間たちとその整理や調査にのりだし、できあがったのが171点の縞柄や格子柄の布地を集めた「じんの・房州縞帳」だ。
会場には縞帳のパネルとともに、とことん着古された漁師灘着半纏なども展示されている。
そんなに遠い昔のことではなく、わずかに3代、4代前の暮らしのなかに息づいていた文化でもある。
房州の豊かさをあらためて思い知る展覧会だ。
■レクチャー
会場・とみうら枇杷倶楽部ギャラリー/16時〜17時30分
- 2月9日(土)「房州地布について」柳和子(白浜海洋美術館前館長)・笠井美智子(あわコットンクラブ代表)
- 2月10日(日)「竹のおはなし」稲垣尚友(竹工芸作家・民俗研究家)
- 2月11日(月・祝)「禁色と韓藍の民俗」田村勇(民俗研究家)
問い合わせ/あわコットンクラブ
電話/0470・44・1780
公式ブログ/あわコットンクラブ ブログ
*319号掲載
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