いやはや、とんでもない災害が起きてしまいました。東日本大震災、被災者の方々に心よりお見舞いを申し上げます。 震災はここ南房総にも大きなダメージを与えています。物不足、ガソリン不足、計画停電、原発事故などが引き金になって観光客が全然現れないのです。
「花摘みのお客さんが全然こない!」、「イチゴ狩りのお客さんだって現れない!」といえば「旅館ホテルは、ほとんどキャンセル」と絶望的な話だけがどんどん飛び交っています。
ただ、このまま困った、困った、といっていてもなにも始まりません、といって私としては何をして良いかわかりませんでしたが、近くで宿泊施設を営んでいる友人から電話がありました。
「イシイさん、宿を被災者に提供しようと考えていたら、何人か仲間も増えて五十人分は確保できたよ」
嬉しい内容でした。
「行政がもっと積極的に、迅速に動いてくれたら……動きが遅くてね、自分たちでまずは実行ですよ」
実は彼、元行政マンで、数年前に館山市にやってきた移住者でした。宿を田舎暮らし体験施設と呼んで、五右衛門風呂や薪にお釜でご飯を炊いたり、都会のお客さんを魅了しています。
いま、南房総にはこれまで経験したことのないような不況の風が吹いています。明日になれば風が止み、景気が良くなる保証はなにもありません。放射能汚染という風評被害で、農業や漁業にまで影響がでかねません。そうなれば、さらに危機的状況は深まることになります。
こうなったら、今までの常識を乗り越えて真剣に新たな絵図を立ち上げなければなりません。「南房総よ、ようやくたどり着いた最後の切り札を!」なのです。
そこで提案します。
「リピーターとは二度来るお客さんをいうのではなく、カップルできたお客さまが結婚したら、今度は子連れでまたやって来ることを意味し、退職した後にはさらに移住までしてしまう」ことなのです。この思想こそ究極のリゾート地の心意気であり、新たな再生南房総を創生する鍵になるのです。
いま、なにをしたら良いのか?
被災者をまずは呼び寄せ、一緒に生活しようと呼びかけること、「おもてなしの心」なのではないかと信じています。 |