館山市北条の相川商店は今年創業90周年を迎える老舗精肉店。今、その相川商店発の「館山メンチ」がブームを呼んでいる。売り出したのは四代目・相川和大さん。
「南房総には肉の特産品がないな。何か、できないかな、と思ったのが始まりです」と話す和大さんが、東京の老舗すき焼き店で精肉部門も持つ「今半」で修行し、家業を手伝うために戻ってきたのは2年ほど前。「まず、肉の仕入れ先、卸し先に奔走しました。南房総地域を走り回っているうちに、観光客がこれだけ来ていて『肉の名産品』が無いのが気になり、それならやってみよう、と」。お店でイチバン人気の「メンチ」を1年かけて、400種類ほどの試食品を作っては食べ、試行錯誤した結果、今の館山メンチができあがる。
質の高さにこだわった国産牛肉と千葉県産豚肉の合い挽き肉で、タマネギをざっくりと大きく使ったジューシーな仕上がり。1コ約120グラムと、通常のメンチよりひとまわり大きいところが魅力で、さくさくの衣とあわせてソースなしで味わえる。今年のお正月から販売して、じわじわと人気がでている「まちの逸品」に。
「思い切ってつけた『館山メンチ』という名前が、評判を呼び嬉しかった。たくさんの人に館山を知ってもらいたい、あちこちに立ち寄って館山で楽しんでもらいたい、という願いを込めてつけた名前です。おかげさまで、今では、土曜日などには遠方から館山メンチをお買い求めになられるお客様もいて、正直びっくりしています」と和大さん。
口コミやブログで密かに広がる「館山の名産」として、人気沸騰中だ。
老舗から新商品「館山メンチ」が大人気! ビジネスチャンスとまちおこしに!
普段は、お店で朝10時から揚げ始め、夕方まで約200個を売り切るそうで、今やまちのイベントにも引っ張りだこ。「先週(6月19日、20日)はロッテマリーンズと楽天イーグルスの試合の行われるマリンスタジアムで『館山ファーマーズマーケット』という館山市の観光プロモーションイベントの一環で出店。2日で1000個販売できました」。笑顔がさわやかな和大さんは、「地域が元気になるように、小さな商店でもできることはあるんだ、と。ちょっとしたことで、ビジネスのきっかけに、地域が元気になるきっかけになるんだ、と今、感じています」。
地方発送の際や、観光客が訪れた時には観光ガイドなどを同梱したり手渡したり、と気配りも忘れない。「もちろん、地元の方に食べていただくのが基本で、ファンになってほしい。それが何よりです」。
三代目のお父さんからは「メンチのことはおまえに任せた」とお墨付きをいただいたという成長中の「老舗」の若手。商品とともに、地域とともに、奮闘中だ。館山メンチは、1個150円。
問い合せ先/相川商店
TEL/0470・23・4129
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