南房総生活情報誌「クリップ」

No.166

〈掲載日:2006年6月10日〉
イベント情報
県民の日記念行事として11年目を迎えた
南房総最大のアマチュアバンドの祭典
ライトミュージックフェスティバル イン アワ 2006
6月11日(日)12時〜18時35分
会場・南総文化ホール(小ホール)入場無料
多彩なバンドの音背が繰り広げられるステージ。音響、照明も充実
 県民の日のイベントとして、今年で11年目を迎える「ライトミュージックフェスティバル・イン・アワ」。中高生から50代までの幅広い年齢層が出演する、年に一度の南房総では最大のアマチュアバンドの祭典です。当初は、県の予算的な支援があったものの、数年後には財政難から予算がカットとなり、その後は参加バンドから参加費を徴収して、会場費などの運営費にあて開催してきました。
 参加費はメンバーの数にかかわらず1バンドあたり、一般が1万2千円、学生が7千円。
「このイベントが始まった当初から、ずうっと応援してくれている企業もあります。なんとかみんなの力をあわせてこのイベントを継続させてきました」とは、自らもベーシストとしてステージにも立つ実行委員長の黒川直樹さん。
 1バンド20分の持ち時間で12時10分から18時35分まで、15バンドの演奏が繰り広げられます。
 最近は、高校生のバンドが少なくなってきているのだそうですが、なかには、ギター一本かかえてソロで参加する女子高生もいます。
 司会はBAYFMのDJや千葉テレビ「バイクTV」(火曜22時30分〜)で司会を担当し活躍する末飛登さんが駆けつけてくれます。
 また、今回は、昨年8月にハリケーン・カトリーナにより壊滅的な打撃をうけたニューオリンズ災害復興の支援募金も会場でおこなわれます。
 ジャズ発祥の地であり、音楽の宝庫としても知られるニューオリンズは、ジャズに限らずロックやブルースなど多くのミュージシャンにとって聖地ともいえる場所。その後、数々の震災や津波などの被害が重なり、ニューオリンズの被災も忘れ去られがちですが、数多くのミュージシャンが賛同者に名をつらね、今でもニューオリンズの募金支援活動が行われています。
「知り合いのミュージシャンからこの支援活動のことを聞き、今回、会場で実施することにしました。こんなことからも、音楽仲間の輪が広がってくれるといいですね」と黒川さん。
 6時間以上におよぶロングライブ。
「最初から最後まではきついかもしれませんが、1時間でも2時間でもいいです。ぜひ、たくさんの人に見にきて欲しいですね」。

主催・ライトミュージックフェスティバル実行委員会/楽器店協力・松田屋楽器/協賛協力・三平商会、友野モータース、松田屋、コア、房日新聞、仲清寿司、財団法人ヤマハ音楽振興会ME東日本推進グループ/後援・館山市教育委員会 県民の日賛同事業

問)南総文化ホール
電話0470・22・1811



ブロンズ・布・木を素材にした彫刻家10年の系譜
豊田洋次展「母性・父性・知積」
6月10日(土)〜7月9日(日)11時〜17時
会場・シーレ(千倉町瀬戸)月曜定休
知積

「立つということ・抵抗するということ・存在するということ」(左)「母性・父性」(右)

 旧三芳村上滝田の山間の民家が豊田洋次さんの住まいと工房で「脱都会を考えていた時、たまたま出会ったのがこの場所なんです」。6年前に、東京の郊外から移り住みこの地で創作を続けてきました。今回は南房総での初の個展。美大を卒業後、彫刻作品に取り組んでおおよそ20年。その間、作品のテーマも造形の傾向も徐々に変化をしてきたのだそうです。その変遷をたどるような作品と近作の小品などを展示したのが今回の作品展です。写真にある男女のブロンズの立像は「立つということ・抵抗するということ・存在するということ」、そして右の白い布の一対の柱のような作品が「母性・父性」。そして最近取り組んでいるのが「知積」というタイトルがつけられた木を素材にした一連の作品。展覧会のタイトルは「母性・父性・知積」。タイトルでもあり、作品を読み解くキーワードでもあるようです。「根源への問いかけ」を続けて、創作に取り組んできた豊田さんの思いもこめられています。

問)シーレ
電話0470・44・4893



語りパフォーマンスとジャズ中身の濃いステージ
南総の風
6月24日(土)14時15分 開場 15時 開演
会場・千葉県南総文化ホール
料金・一般4000円 親子ペア6000円 学生3000円
柴山ゆきえ

大原保人
 語りとジャズというユニークな2部構成のイベント「南総の風」。一部は「南総里見八犬伝・伏姫と八房」。柴山ゆきえさんの朗読と和楽器とパーカッション、舞踏で構成された作品です。アナウンサーとして永年活躍してきた柴山さんが、県内にゆかりの物語「南総里見八犬伝」を語りで演じてみたいと思い脚本を千葉市在住のシンガーソングライター・高岡良樹さんに昨年2月、千葉市文化センターで初演し、好評を博した作品で、ゆかりの地・館山で再演したいとの思いが実現したものです。
 語りによる南総里見八犬伝は、演劇とはまた違った魅力ある、壮大なステージが70分にわたり繰り広げられます。
 二部はがらっと趣向をかえて「ジャズ組曲NANSO」。柴山さんと親交のある千葉市在住のジャズピアニス・大原保人が助っ人でかけつけてジャズの演奏を聴かせてくれます。メンバーは、ベースに俵山昌之、ドラムス井川晃のトリオに、日本を代表するテナーサックス竹内直のカルテット。南総をテーマにしたジャズを演奏します。
 語りとジャズとテーマも幅広いユニークで中身の濃いイベントです。

問)南総文化ホール
電話0470・22・1811



Early summer JAZZ Live
渡辺文男グループ+道子
6月24日(土)18時30分 開演
会場・レストラン一粒の麦
料金・前売4500円 当日5000円
道子

渡辺文男
 渡辺文男グループ+道子のジャズライブが6月24日(土)レストラン一粒の麦でおこなわれます。リーダーの渡辺文男さんは、ご存知「ナベサダ」こと渡辺貞夫さんの実弟。兄、貞夫さんと共に、日本ジャズシーンをリードしてきた、日本ジャズドラマーの重鎮。
 今回は、ヴォーカルに道子、ベースに小杉敏、トランペットに高瀬龍一、テナーサックスに高橋知己、ピアノに元岡一英と、都内でもそろわないであろう超豪華メンバーをしたがえての来演!

問)一粒の麦
電話0470・23・8210



明日への希望と元気を生むパワフルミュージカル
地震カミナリ火事オヤジ
6月28日(水)18時 開場 18時30分 開演
会場・千葉県南総文化ホール
料金・指定席4500円 自由席3500円(当日500円増)
 創立23年を迎え、その名のとおり全国津々浦々を巡り公演している劇団が「ふるさときゃらばん」。劇団員100名をかかえる大所帯のミュージカル劇団です。演じられるのは、大人も子ども楽しめる身近なテーマが多く、今回はずばり「災害」に切り込んだもので、タイトルは「地震カミナリ火事オヤジ」。地震に、津波、河川の氾濫、はたまた火災、いつ起こるかわからない災害を、誰が守るのか……自分たちの身の回りの家族、地域社会などを「災害」という視点から見つめ直した作品。「明日への希望と元気を生む」ふるさときゃらばんのパワフルなミュージカル。今年6月から公演がスタートした新作です。

問)南総文化ホール
電話0470・22・1811



四季折々のベストショットを展示した初の個展
安藤十三男 写真展 四季そして出会い
6月10日(土)〜6月25日(日)10時〜17時
会場・アートスペース風(千倉町大川)

 写真歴25年という鴨川フォトクラブに所属する安藤十三男さん(60)。仕事の合間をみては写真を撮り続けてきました。昨年の10月に定年退職、今回はそんな人生の一区切りとして開催する初の個展です。この5年間ほどの間に撮った写真のなかから23点をセレクトして展示。人物とからみあった南房総の風景、四季折々の表情を写しとった、ユーモアとウィットにあふれたスナップショット作品です。

問)アートスペース風
電話0470・43・8251



南房総のWAKEESHI
自称「へんてこ美術家」初の個展を開催。
ささごともみさん
今回の展示のために作りためられた「へんてこコロリン」たち

海猫堂店員で「へんてこ美術家」のささごともみさん
 千倉町在住のWAKEESHIささごともみさんは、イラストレーター・山口マオさんが経営するギャラリーと雑貨のお店「海猫堂」に勤務するショップ店員で、ご自身でも作品づくりをするアーティスト。今月10日(土)〜26日(月)の間、ささごさんは生まれて初めての個展をご自身の職場・海猫堂で開催します。
 山口マオさん命名の「へんてこ美術家」という称号を肩書きに、個性的な作風のイラストや造形作品を制作する彼女は、昔から風変わりな作風のイラストが大好きで、山口マオさんも学生時代からのフェイバリットの一人だったそうです。その出会いは運命的で、6年前、たまたま知り合いの無国籍料理店に置いてあったささごさんの作品が山口マオさんの目に触れたことがきっかけとなり、次第に交流が生まれ、いつの間にか海猫堂で働くことになっていたのだそう。
 今回の展示のメインとなるのは、掌サイズの石粉粘土細工に、奇妙ながらも愛らしいキャラクターが描かれた「へんてこコロリン」の作品群(写真)。この「へんてこコロリン」、実はささごさんにとってかなり思い入れのある作品形態で、なんとそのキャリアは高校生の頃から。館山の民芸店に置いてあった、頭がオジサン、体がロバという奇妙な南米の人形に強い感銘を受け、「私もつくりたい」と、制作に目覚めたのだそうです。その後いくつものキャラクターを生み出し、現在に至る「ささごワールド」を確立しました。
 海猫堂で開かれる共同展でも常にワン&オンリーな作風で、見るものに強烈な印象を与えてきた、ささごさんのキャラクターたち。個展では、さらに強力にアピールすることでしょう。個展の開催にあたって「見てくれた人がこのキャラクターたちの性格や行動を想像してくれたら嬉しい」。奇妙で、愛らしくて、つい手に取りたくなる「へんてこコロリン」たちを、想像をふくらませながら、是非ご覧になってみて下さい。

問)海猫堂
電話0470・43・1039



南房総の巨木巡りNo.2
館山市指定天然記念物 沼のびゃくしん
6月10日(土)〜6月25日(日)10時〜17時
会場・アートスペース風(千倉町大川)

 十二天神社の境内にどっしりと生き続ける「沼のびゃくしん」。千葉県内で最も大きなビャクシン(ヒノキ科)の木です。推定樹齢800年、樹高17m、幹周りは7・45m。枝張りは、東西に20m、南北に24m。ハゼノキ、イヌビワ、シロダモ、マサキ、トベラなどが着生していて、縦に裂けた樹皮がそれらをのみ込むようにねじれ上がっている様は、樹木の生命力を感じさせてくれます。傾きかけたこの巨体には、それを支える柱が数本取り付けられ、大切に守り続けられています。


[トップページへ戻る]