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近藤牧場の近藤周平さん(左)と拓也さん |
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日本酪農発祥の地でもあり酪農は伝統的な産業。そんな南房総の酪農の世界で、新たなチャレンジを試みるWAKEESHI(若い衆)が「道の駅富楽里とみやま」にショップをかまえる近藤牧場の近藤拓也(22)さん。旧富山町川上、伊予ヶ岳の麓にある近藤牧場は、今までに乳牛の品評会で数多くの賞を獲得し、トロフィーやカップが自宅に所狭しと並べられている名門の酪農家です。現在は牛の頭数を減らし、酪農加工品の生産に力を入れるようになっています。
拓也さんの父親、近藤牧場のご主人・周平(50)さんが、今から3年前の「道の駅富楽里」のオープンとともに、長年趣味で研究してきたアイスクリームの生産、販売を開始。そして、ちょうどそのころ進路選択の時期にあった拓也さんが、酪農を志し本場・北海道のチーズ生産で名を知られた牧場に修行に行く決意をしました。
朝は牛の世話、昼は牧場内のイタリアンレストラン、午後はチーズ作りと、朝から晩まで酪農漬けの日々を送り、技術を習得。そして修了と共に近藤牧場に新たなる技術を持ち帰ります。そんな拓也さんの作るモッツァレラチーズは「富楽里」を訪れるめざとい食通からも賞賛を集め、現在、周平さんの作るアイスクリームと共に、大手デパートのギフト商品として扱われたり、有名ホテルのパーティー用食材として注文を受けるようにもなっています。
拓也さんに酪農を継ごうと思った動機を尋ねると、「今まで、けっこうメーワクかけたから」「手伝ったら喜ぶと思って」と今どきな風貌からちょっと意外な発言。また、親と一緒に働くことにも「まったくキュークツじゃない」「友だちと同じ調子で話せる」とのこと。父の周平さんも「チーズは息子じゃないとダメ」「おれがやると固くなったり、固まらなかったりする」と、その技術を認め、互いに信頼を寄せて仕事に取り組んでいます。
経験を重ね、技術を高めている拓也さんの将来の夢は「自家製の食材を使った料理を出すイタリアンレストランを開くこと」。シャイなはにかみを見せながらも屈託の無い表情で話すWAKEESHIは、南房総の酪農に新しい風を吹かすことでしょう。 |