南房総生活情報誌「クリップ」

No.157

〈掲載日:2006年1月28日〉
イベント情報
「はる・はな」の季節がやって来た。
第15回フラワーフェスティバル。
3月31日(金)まで開催中・9時〜17時
会場・ローズマリーホール(道の駅ローズマリー公園・丸山町)
フラワーフェスティバルが開催されているローズマリーホール

花のバルーン/花束が見えるのでプレゼントに最適。

 春の花の季節に丸山町のローズマリーホールを会場に開催されてきたのが、このフラワーフェスティバル。恒例のイベントで今年で15回と回を重ねてきました。丸山町は花の栽培も盛んで、年間の農業粗生産額35億2千万のうち約4割を花卉が占めています。大型の温室を利用して栽培に取り組む農家も多く、花の種類も豊富で珍しい花も数多く栽培されています。
 露地花が主体の南房総の花栽培のなかでも先進的な役割を担ってきました。そんな町内の花栽培農家が、切り立ての花を持ち寄って展示販売しているのがこの花のイベントです。
 毎年このイベントを楽しみにやってくるリピーターも多く、春の恒例イベントとして定着してきました。
 この15年間で農家の高齢化も進み、以前に比べると栽培農家も減少しているのだそうです。丸山町に限らず南房総エリアの共通の課題といえそうです。
 今年も出品されている花は、ストック、カーネーション、キンギョソウ、フリージア、レースフラワーやスターチスといったおなじみの花から、フォルカフレーデン、ベロペロネ、アルブカといった珍しいものまで約30種類。(花の種類は栽培状況により変わります)。2月中旬になると丸山町の特産で、露地栽培されいているミモザも会場に並びます。
 ローズマリー公園では、切り花の販売だけでなく贈答用の花のギフトにも取り組んできました。予算にあわせて箱詰めし全国へ宅配便で発送しています。贈り物として人気があるのが「花のバルーン」。花束が見えて、なおかつ花が傷まないように工夫したオリジナルのパッケージ。こちらも、リピートするお客様の多い人気の商品なのだそうです。

問)丸山町シェイクスピア・カントリー・パーク
電話0470・46・2882



ふるさと丸山メモリアル事業・第4弾
花につつまれ花に染まる9日間「花空間」
2月4日(土)〜12日(日) 9時〜17時 最終日は15時まで 
会場・シェイクスピア・カントリー・パーク
 町村合併にともない企画された「ふるさと丸山メモリアル事業」の第4弾として開催されるイベント。町内の農業、園芸関係者よって、花いっぱいの空間がつくりだされます。約2万本の花を使った花の塔や流木にランなどの飾り付けが予定されています。期間中は花のプレゼントや各種催事も。展示はカントリーパーク内のシアターホール。通常の入場料(大人800円、中・高生600円、小学生400円)がかかります。

問)丸山町シェイクスピア・カントリー・パーク
電話0470・46・2882



南総ファーマーズフェスタ
2月4日(土)〜12日(日) 9時〜17時 最終日は15時まで
会場・道の駅ちくら 潮風王国(千倉町千田海岸)
約3万本の花を飾った巨大なディスプレイを展示
 この花と農のイベントを主催するのは「南総シード」。千倉町、和田町、丸山町、白浜町、三芳村の農業や農業関連の従業者で組織されている団体です。メンバーは現在約50名。都市住民との交流などを通じて農業の振興をはかることを目的に、平成15年から活動を続けています。
 創立時から開催してきたのがこのイベントで、今回で第3回に。今年も、メンバーが花とアイデアを持ち寄って飾りつけた巨大な花のディスプレイが潮風王国2階の多目的ホールに登場します。約3万本の花が使われるのだそうです。このほか、農産物直売、安房拓心高校生産物販売、アレンジ教室作品展示なども開催されます。2月11日は酪農デー。ヒツジ、子牛、ウサギと遊べる動物ふれあい広場、乳牛も運びこまれての搾乳体験(11時〜12時)、バター作り体験(12時〜13時・受付10時より先着20名)。2月4日、5日、11日、12日は11時から14時、たのくろ里の村のメンバーが協力して「餅つき」も実施されます。

問)潮風王国
電話0470・43・1811



様々な作風で展開する「ヌード」にこだわった絵画展
柴崎孝雄作品展 nude「A-Z」
3月31日(金)まで開催
会場・鳩山荘松庵 ギャラリー・モンテパローマ(館山市見物)
柴桃F雄さん

「nude」
 素直でストレートな抽象、ダークトーンでまとめられた半具象、またタッチも様々な油彩の裸婦画だけを展示しているのが今回の柴桃F雄さんの展覧会です。「nude」とタイトルされ、符号のようにA〜Zと記された約30点小品の連作。
 大学卒業後、高校へ勤務するかたわら武蔵野美術大学に学び、絵画だけにとどまらず、彫刻、陶芸にも長年取り組んできました。定年退職後は、画業に専念。展示作品はここ1、2年の間に描いてきた近作が中心です。「あらゆる造形の基本がヌードにある。象徴性があるがゆえに、絵画的にごまかしがきかないのもヌードですね」と柴唐ウん。作品の多くは、モデルをみて思いつくままに描いたもので、ヌードには自然の造形がそこに潜んでいるようにも見えるといいます。のびやかに表現したヌードの作品群。そこには、エネルギッシュに造形のエッセンスが凝縮されているかのようです。

問)クリップ編集室
電話0470・23・7541



変幻するモノにスパークするイマジネーション
太田雅典展
2月1日(水)〜26日(日)11時〜17時 月曜定休
会場・ギャラリー&カフェ シーレ(千倉町瀬戸)
太田雅典さん

植物の芽吹きに見えることからPLANTSとタイトルされた作品(上・下)


 白浜野島崎の先端にある巨大な石のモニュメント「房総半島最南端の碑」や亀田クリニックの中庭におかれた作品など、太田雅典さんの石彫作品は意外な場所で接することができます。この10年ほど、彫刻家本来の「彫る」ことから遠のき、独自の視線でインスタレーション作品に取り組んできました。古くは縄文期より漁業に使われていた「いわんぼ」と呼ばれる素焼きの錘。紡錘形をした10センチ足らずのこの小さな土器を時には十万個に近い数を並べた作品も、近年の代表作。地元はもとより、船橋飛ノ台史跡公園博物館、横浜赤レンガ倉庫や神奈川大学のギャラリーオープニングなどでも展示発表され好評を博してきました。
「いわんぼも房州の海岸に、見捨てられていたものです。そこに光をあて、面白さを再発見するのも仕事かな」。
 あくまで「土地のモノ」にこだわっていきたいと話す太田さん。海辺や山野を歩き、そこで出会った様々なモノ。生活の中から不要とされた朽ちていくモノ。そのモノのなかに潜む不思議な魅力をひきだしているのが今回の展覧会です。これらの作品は、ギャラリーという緊張感のある空間に運びこまれ、なお一層輝きをましています。

問)シーレ
電話0470・44・4893



トピックス
いつでも、どこでも、子どもから大人まで、踊れば楽し!
ヒップホップダンススクール
「エボリューション」
ヒップホップダンスを身近に
4才の子供から50代まで、ヒップホップダンスをエンジョイ。

渡辺忠隆さん



 「当時は、今ほどヒップホップが知られていない時代ですから、ダンスを覚えるにも独学しかなかった」。館山市で活動を行うヒップホップダンススクール・エボリューションを主宰する渡辺忠隆さん(29)は、15年前の中学生当時を振り返ります。現在、エボリューションには4才の子供から50代までの幅広い世代の方が通い、小さな子供でも無理なく楽しめるダンスから、難易度の高いアクロバティックなダンスまで、それぞれの体力やレベルにあわせた振り付けでダンスを楽しんでいます。
「中学生の時に、テレビで見たダンスに衝撃を受けたんです」。見よう見まねでダンスを続け、この世界へのめり込むようになります。高校卒業後は、渋谷のダンス専門学校に通い、ダンス一色の生活へ。ダンス全般を学び、学校の後にはストリートで踊るという毎日。ヒップホップの聖地・渋谷の路上パフォーマンスを通じて出会った仲間とチームを組みイベントを行うなど活動の幅を広げ、ヒップホップ本来の自由さや楽しさを強く感じるようになったそうです。

いつでもどこでも楽しめる
 ヒップホップは、1980年ごろニューヨークで生まれた黒人文化の総称と言われています。貧困層の若者を中心にお金をかけずに楽しめる娯楽として生まれた音楽・ダンス・ファッションなどのカルチャー。決まった形があるわけではありません。「いつでも、どこでも、誰でも楽しめる、そこが魅力」
 渡辺さんがスクールで重点的に教えているのは、基本的な動き方、リズムの取り方。基本ができれば、ジャズでもロックでも踊ることができる自由さがあり、場所も格好も選ばない。好きな音楽で仲間と一緒に自分を表現する事は「生き甲斐を感じられる」といいます。
 
世代を超えた楽しみ
 スクールをはじめた5年前には南房総にあまり馴染みの無かったヒップホップダンスも、毎年エボリューションが行ってきた発表会で少しずつ定着。小学校の運動会で使われるダンスの振り付けを行ったり、館山市主催のスポーツクラブ活動でボランティアでダンスを教えたりといった活動も行ってきました。
 そんな渡辺さんが徹底している事が「あいさつ、ゴミ、掃除」の3つ。「ヒップホップはまだまだ一般的とは言えない状況です。少し間違えば、すぐに不良という目で見られることもある。なにより、ほかの人に迷惑を掛けないからこそ、自由に楽しむことができますよね」。このダンスは決して若者だけのものでは無いという渡辺さんの思いがあるのです。
「年をとっても、振り付けをやさしくすれば続けていける。体を動かす娯楽のひとつとして、様々な人に楽しんでもらえたら」と、世代を超えて楽しめることを願い、活動を行っています。
 エボリューションでは、スクールの見学や無料体験も実施しています。会場は南総文化ホールなど。興味のある方はお気軽にご連絡ください。

問)エボリューション(渡辺)
電話0470・24・0144


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