南房総生活情報誌「クリップ」

No.167

〈掲載日:2006年6月24日〉
特集
南房総音楽シーンの発火点・明鐘岬で開催!
2006夏の開幕音楽イベント
「ASOなみなみ」
7月1日(土)・2日(日)開場12時 開演13時 閉場22時
会場・SEA SIDE HOUSE ASO
料金・1日券3,000円(当日3,500円)2日券5,000円
マスターの玉木麦さん。自らもミュージシャン

セルフビルドのASOの建物はどこか異国風

南房総の奇跡といわれるASOからの眺め












 南房総の内外に多くのファンを持つ、不思議な魅力のカフェSEA SIDE HOUSE ASOで、独創的なアーティスト10組を集めた音楽イベント「ASOなみなみ」が開催されます。
 会場となる「ASO」は、富津市と鋸南町の境界付近鋸山脇の断崖絶壁に建つ、南房総の隠れた名物音楽スポット。このお店は、マスターの玉木麦さんがおばあちゃんの経営していた釣り人のための大衆食堂「阿蘇」を引き継いで始めたもので、5年前のオープン以来、地元のアマチュアミュージシャンから、全国にその名を知られるビッグアーティストまで、数々のライブが開催されてきました。様々なミュージシャンが集まるようになった経緯について玉木さんは「こちらから出演をお願いしたミュージシャンは一人もいません。いつの間にか、人づてでいろんなミュージシャンが集まるようになったんです」と、こともなげに説明。このお店と、この場所の持つ不思議な魅力や磁力が様々なミュージシャン達との縁を呼び寄せたのでしょう。
 今回のイベントの発案者も、「ASO」の魅力の虜になったミュージシャンのひとり。現在NHK教育テレビの人気番組「あいのて」にもレギュラー出演中で、その独創的な音楽性で、数多くの音楽ファンやアーティストに支持されている超個性派バンド「倍音S」のリーダー・尾引浩志さん。尾引さんは東京湾に向かって演奏するというこのお店のライブスタイルを「ミュージシャンにとってたまらない刺激」と絶賛しています。「ASOに集まる音楽ファンに自分の大好きなアーティストを、また、そのアーティストやファンにこのお店の雰囲気を知ってもらいたい」と企画を持ちかけたのだそうです。

東京湾岸の夜景が美しい南房総の奇跡の地・岬の突端……
 このイベントのテーマは『みんなで一丸となって幸せになる』こと。
「オーディエンス、ミュージシャン、スタッフ、その全てが心から楽しめることを目指します」。安全性を重視して観客を100名に限定。「規模的には有り得ない設定で、もったいないですが」と語りながらも、赤ちゃんから中年層まで、幅広い客層を受け入れるこの店の雰囲気を保つための配慮を欠かしません。
 マスターの玉木さんによれば、今回の見所は「皆さんオススメなんですが、なんといっても『サヨコオトナラ』。それから『中ムラサトコ→』さんのヴォーカル、日本ではなかなか聞けない尾引さんの倍音唱法『ホーメイ』が個人的にオススメ」とのこと。かなり個性的なメンツを揃えた今回のライブですが「集まるミュージシャンたちは、誰もが反応できる音楽性と実力を持った人たちばかり」と出演ミュージシャンたちへの信頼を語ります。
「このイベントをきっかけに、音楽を一部のファンだけのものではなく、もっと一般の人の生活の中で楽しめるようにしていきたい」と玉木さん。まるで東京湾に浮かぶに小島に来たかのような雰囲気の中、素晴らしい音楽で心も体も洗い流す2日間、南房総音楽シーンのターニングポイントになるイベントかもしれません。

「ASOなみなみ」出演アーティスト
1日目 7日1日(土)
●トランスパランス
makoring、渡部沙智子、葛岡みちによるコーラスユニット。遊び心あふれるハーモニーが魅力。
●NUU
3rdシングル「home town」は、NHKBS「お〜い日本」のテーマソングに起用。土の匂いを感じさせる歌声で、ライブに定評のあるシンガー。
●NATA
オーストラリアでアボリジニと生活をともにし、ディジリドゥーの伝統的な奏法を習得。アボリジニネームをもらった数少ない外国人の一人。
●YOSHITAKE EXPE
エレクトリックギター一本に多数のエフェクターをつなぎ、スペーシーな音響世界を作り上げるギタリスト。バンドEXP、NUTRON主宰。
●ジャンタルマンタル
滝本晃司(キーボード、ギター、ベース/ex.たま)、尾引浩志(ホーメイ、口琴、馬頭琴の先祖・イギル、/from倍音S)、斎藤哲也(キーボード、ベース/fromナタリーワイズ)、西脇一弘(ギター/fromさかな)という、数々の名立たるバンドから集まったメンバーのユニット。

2日目 7日2日(日)
●中ムラサトコ→
太鼓を叩きながら歌う強烈なボイスパフォーマンスに定評があるボーカルの魔術師。所属するバンド「素」は世界ツアーを行うなど精力的に活動中。
●ユキンコアキラ
笑っていいとも似顔絵選手権、銭形金太郎ビンボースタジアムの優勝経験を持つ異色のリズムペインター。数々のイベントやフェスティバルで活躍中。
●P|ブロッ
NHK教育「あいのて」にも出演中の作曲家・野村誠率いる鍵盤ハーモニカのアンサンブル。民族学博物館での民族学資料を演奏するコンサート、近代美術館で絵を音楽にするコンサート、小学生104人との共演など様々な活動を実施中。
●ブリキサーカス
サクソフォン、トランペット、アコーディオン、ギター/バンジョー、ウッドベース、ドラム、ダンサー
×2という大編成で、ジプシー、チンドン、キャバレーなど、妖しく魅惑的なサウンドを鳴らす無国籍音楽バンド。かなり踊れます。
●サヨコオトナラ
サヨコ(歌)、OTO(ギター)、奈良大介(タイコ)によるユニット。・サヨコ:1980年からバンド「ZELDA」で活躍し、バンド解散後単身ジャマイカに渡りソロアルバムを録音するなど、驚異的な行動力で活動中。THE BOOMの宮沢和史、UAへの楽曲提供・プロデュースで知られる朝本浩文ら、盟友とのコラボレーションで名曲多数。・OTO:カリスマバンド「じゃがたら」にいたギタリスト。地球音楽探検家。・奈良大介:あるがままにうねりを作り出すタイコタタキ。

ライブペインティング
宮下昌也(from鴨川)

出店予定ショップ
カルトーラ(フード/from鴨川)
アースニックカフェ(フード/from木更津)
MOJO RISING(楽器・音源など/from東京)
電話0439・69・2332

SEA SIDE HOUSE ASO
安房郡鋸南町本名1 電話0439・69・2332
営業時間・17時〜24時(月曜22時)
定休日・毎週火曜、第1・3水曜
明鐘岬の突端にあるミュージックカフェ&レストラン。眺めの素晴らしさは南房総一と評判。特に夜景が美しい。オススメメニューは、金谷港で獲れたカタクチイワシでつくったアンチョビ・ピザ、同じく金谷港のサバを使ったサバ・チャーハン。その他、多国籍カフェ飯メニューが多数あります。今回のイベントではASOカレーを用意。



イベント情報
「親子ではまる、裏山・秘密基地遊び特別講座」
7月2日から毎週日曜
会場・ガンコ山ツリーハウスヴィレッジ(旧丸山町大井)
参加費・3000円(傷害保険込み)
 ガンコ山では、夏休みに向け、知っていればもっとアウトドアライフが楽しくなる秘密基地遊びの特別講座を開催します。ガンコ山も元々、森好き山好きの仲間達が、荒れた果てた里山を、自然の力と地形を利用して造った秘密基地。そんなガンコ山には、自然を活かして楽しむ知恵と技術が溢れています。夏休みを前にガンコ山の身近な自然を思いっきり楽しむ遊び術を皆さんに大公開。
 まず、第1回の講座は、「木登り訓練所」。木登りこそ秘密基地の原点、「そこに木ががあるから登りたい。」子どもの本能が目覚める瞬間です。「もっと上へ、その先へ」。登れた時の快感は、今まで経験したことのない新しい世界を開いてくれます。2回目以降はロープ、焚き火、弓矢、ピザ釜と続きます。詳しくは左記まで。

問)ガンコ山事務局
電話045・582・0072



出口洋作品展「螺旋の記憶」
7月6日(木)〜12日(水)10時〜18時
会場・アートスペース風(南房総市千倉町大川)
出口洋さん

つめた貝をアレンジした作品

 大手自動車メーカーで車のデザイナーとして活躍。その後、南米のコスタリカへ海外青年協力隊員として赴任。その時に彫金に出会い工芸家に転身した異色の経歴を持つ出口洋さん。昨年、館山市の那古海岸に彫金工房「富銀」を開設しました。今回はその頃から創りはじめた、貝と銀細工を組み合わせた意欲作も展示しています。写真のペンダントは工房の近くの那古海岸で拾った「つめた貝」をアレンジした作品。「貝殻には独特の螺旋の美しさがあります。そこで今回はこんなタイトルにしてみました」。期間中はジュエリーの製作実演も行われます。

オリジナルジェリーの製作や教室の問い合わせは…彫金工房「富銀」
電話090・7838・4555
e-mail maestro@tomigin.com
URL www.tomigin.com

問)アートスペース風
電話0470・43・8251



伊藤純夫・千秋洋子型染展
7月15日(土)〜23日(日)9時30分〜16時30分
会場・アトリエ&ギャラリー 染・空・間
   CEDAR HOUSE(南房総市沓見)
講習会でつくる絹ちりめんの風呂敷

NHK教育TV「おしゃれな工房」7月4日(火)午後9時30分放送になります。

 型染作家の伊藤、千秋さんご夫妻の工房とギャラリーも兼ねたお住まいは旧丸山町沓見にあります。周囲は田んぼが広がる田園のまっただ中。5月から6月にかけて、今年もゲンジボタルの群舞が見られたのだそうです。いまやホタルの名所になりつつあるとか。そんな自然に囲まれて創作に取り組むお二人のモチーフは、魚や野菜、草花。日々の暮らしの中にある身近な素材を、型染特有の大胆なデザインで染め上げています。今回も暖簾やタペストリーから小物まで幅広い作品が展示されます。

型染1日講習会参加者募集!
 会期中は毎日型染の講習会が開催されます。今回は、絹ちりめんの風呂敷(写真)。68センチ角のサイズで、スカーフとしてもピッタリの大きさです。講習費は7000円(材料費込)。参加ご希望の方は、お電話でご予約ください。この作品は発売中のおしゃれ工房7月号にも掲載されており7月4日放送になります。

問)伊藤
電話0470・46・3119



宝石の館「カワムラ」夏盛ん! わくわくフェア
特別イベント・店頭ライブ
「ライブだ!がきおやじだ!」
7月1日(土)2日(日)
1日(土)13時30分〜15時、16時〜17時30分
2日(日)11時〜12時30分、14時〜15時30分
会場・カワムラ(鴨川市横渚・長狭高交差点そば)
出演・がきおやじ

 鴨川を中心に熱狂的なファン増殖中のバンドが「がきおやじ」。6月初旬に行われた「鴨川シーフェスタ」でも野外で演奏し喝采を浴びたばかり。結成されて15年というキャリアのあるバンド。しかも、社会派ロック系とでも呼べる骨太の歌を歌い、正当派のロックを聴かせる、今時貴重なバンドとして注目を浴びてきました。昨年 bayfmのオーディション番組「OLEっち」にエントリー。4週勝ち抜くとメジャーデビューという最後の4週目で、80点の合格点に79点であえなく敗退という劇的な結果になり、これもちょっとした話題に。
 メンバーはボーカルとギターのひらのそう、ベースのテル、ドラムスのひろピーのシンプルな3人編成。シャウター系の迫力あるヴォーカルとタイトなリズムセクションから繰り出される小気味よい乗りのロックが持ち味。今回は、会場が宝石のカワムラ店頭という意外な場所で、2日間わたり、4ステージ、たっぷりと聞かせてくれるという趣向。もちろん入場無料です。
 なお、7月1日、2日の2日間、カワムラでは「夏盛ん!わくわくフェア」として特別セールが開催されます。

問)カワムラ
電話04・7092・0777



スポット
こちらは外房・鴨川の音楽の発火点!
7周年を迎えた「風雲」
風雲の店内。中央はマスターの杉山一郎さん

 内房・東京湾岸の音楽発火点がASOなら、外房・鴨川の発火点はここ。この6月に開店7周年を迎えた「風雲」です。鴨川を中心に南房総一円の音楽好きのたまり場になっています。年に5・6度、プロ、アマ、ジャンルも問わず、幅広いジャンルのライブが行われますが、来月29日(土)には、地元出身の女子大生で、ギターを持って歌う「マシュマロ」田村恵美と、南房総のスーパースター(?)たいっちゃん&やっちゃんが共演するという、かなり無節操なライブも予定されています。さらには、お客さんからの要望に答え、大御所・長谷川きよしさんのライブも現在調整中とのこと。
 そして今、マスターが一押しなのはこの人。「最近デビューしたジャズシンガーで、安富祖貴子ってのがいるんだけど、50年に一人の逸材。今ライブ交渉中で、近々決まる予定」。只今、口コミでじわじわ人気上昇中だそう。
 このように、メディアにとらわれないマスターの、お眼鏡にかなったミュージシャンだけが、このステージに登場するのです。普段は巨大な手作りスピーカーから、音楽が聞こえてくる、ゆったりとお酒を飲めるいい感じのバーです。

問)風雲(杉山)
電話090・8812・7748



ギャラリー巡り−3
アラビアンアート
鴨川市太海酉乙


ポーセレンアート(白磁絵付け)教室も行っています。

 太平洋を見下ろす高台に、異国情緒に包まれたホテル&ギャラリー・アラビアンアートがあります。オーナー一家が6年間エジプトに住み、アラブ文化に深く感銘を受けたことから、オープンに至ったとか。ホテルの他、喫茶とギャラリーのスペースもあり、オーナーのお母様で画家の布村歌子さんの作品を常設展示。鮮やかで迫力のある色彩でありながら、細部まで緻密に描かれた絵画は、エジプトの文化や人の心の豊かさ、美しさが感じられます。そんな絵画に囲まれて、ゆっくりとティータイムをどうぞ。エジプトコーヒーや、ハイビスカスの花から作られたカルカディジュースがいただけます。予約をすれば、地中海風エジプト料理も。エキゾチックなひとときを過ごしてみては。

営業時間(喫茶&ギャラリー)11時〜16時
木曜休館
電話04・7098・2100


[トップページへ戻る]